パニック障害(パニック症)とは~パニック障害の症状~

パニック障害(パニック症)とは「不安症」の一種で、生活していると急に動悸息切れ吐き気がしたり、強い不安感や息ができないという感覚(窒息感)に襲われる病気です。

場合によっては「このまま死んでしまう!」「気が狂ってしまう!」という恐怖感を感じることもあります。(上記の症状を総称して「パニック発作」と呼びます。)

そして「パニック発作」が繰り返されると、今度は「また発作が起きるんじゃないか」という不安にさいなまれるようになります。それを「予期不安」と呼びます。

また電車・バス・映画館・美容院・高速道路など、一度パニック発作を経験した場所で、すぐに逃げ出したり、助けを求められない場所に恐怖を感じることを「広場恐怖」と呼びます。(かならずしも「広い場所」である必要はありません)

広場恐怖があり、実際にそれらの場所に行かない、もしくは行くことができないと「回避行動」と呼ばれます。

これら「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖もしくは回避行動」がパニック障害の3大症状とされています。

パニック障害の原因

パニック障害の原因は医学的には、まだはっきりしていないようです。

脳内ホルモン(脳内神経伝達物質)の乱れであるとか、脳内の神経系の機能異常であるとか、大脳辺縁系の扁桃核が過敏になっているとか、遺伝的要因が大きいとか、様々な仮説が立てられていますが、はっきりとした原因はわかっていないと言ってよいでしょう。

ストレスや過労なども、パニックを引き起こす要因であると、基本的には考えられています。

ただし、「気の持ちよう」とか「甘え」「性格的なもの」などではないとされています。

パニック障害の治療法

パニック療法の治療は、一般的に心療内科、精神科、メンタルクリニックなどで、基本的には「薬物療法」と「認知行動療法」を併用して進めていきます。

1:薬物療法

薬物療法はうつの治療などに使われるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使います。

2:認知行動療法

認知行動療法では、たとえば暴露(ばくろ)療法といって、徐々に不安に慣れさせていく方法を使います。

たとえば「電車に乗れない」という症状でお悩みだとしたら、まずは駅の近くまで行ってみる、次はホームに入ってみる、一駅だけ乗ってみる、というように段階的に恐怖に直面させ、心身を鳴らしていきます。

また認知療法では、「このままパニック発作がひどくなって外に出られなくなって、最悪の人生になってしまうかも」というとらえ方をしているクライエントに対し

「パニック障害は治る病気です」

となど伝えることで「認知(とらえ方)」を変化させていきます。

以上が西洋医学的な考え方と対処法です。

統合言語コーチング(ILC)では、どのように考えて対処するか

ここまで西洋医学的な考え方と対処法をお伝えしてきましたが、ここからは「統合言語コーチング(以下ILC)」としての考え方や対処法をお伝えしていきます。

西洋医学とはずいぶん考え方も違いますが、参考にしていただければと思います。

ILCではパニック障害の原因をこう考える

ILCではパニック障害の原因を「横隔膜の機能が落ちることによって呼吸が不完全になっているから」と考えています。

ここに明確なエビデンスがあるわけではありません。

あくまで経験的に、横隔膜の機能不全がパニック障害を引き起こしていると感じるからです。

また過呼吸、息切れ、窒息感などはすべて「呼吸」と関係があることから、呼吸で中心的な役割を果たす横隔膜に何か異常が出ていると考えるのが妥当です。

そして、実際に横隔膜の弾力を取り戻す施療をしていくと、症状が軽減していくことから、このように原因を定義しています。

なぜ横隔膜が機能不全になるとパニック障害が起こるのか

そもそも横隔膜の機能不全とは?

まずは横隔膜の機能不全について観ていきます。

横隔膜の機能不全は、具体的には「横隔膜の弾力が一定以上に落ちてしまうこと」を指しています。

横隔膜は通常、以下のような動きをしています。

横隔膜がダイナミックに上下に動くとき、しっかり呼吸ができ、血流も安定し、自律神経のバランスも良く取れています。

しかし、ストレスがかかると横隔膜の弾力が落ち、呼吸が浅くなります。

すると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位な状態(緊張状態)が続きます。

パニック発作が起きるのは、ちょっとしたきっかけ

ふだん緊張度の高い状態で生活していて、あるとき何かのストレスがグッとかかると、そこでいわゆるパニック発作が発症します。

たとえば電車に乗った時、高速道路に乗った時など、平常時なら「ちょっとしたストレス」と思うようなことですが、ふだんからストレスがかかりガチガチな横隔膜が限界を迎えます。

すると、身体は何とか横隔膜を動かそうと、激しく呼吸をします。

それがいわゆる過呼吸息苦しさの症状です。

極度の場合は「窒息感」「死んでしまうのではないか」という恐怖につながります。

また「吐き気」という症状も、横隔膜を動かそうとする働きと考えることができます。

自然治癒力があるから、「パニック発作」が起きる

しかしこれは逆に考えてみると、

「ガチガチの横隔膜を、身体が強制的にマッサージしようとしている」

と考えることができます。

ILCでは東洋医学的な考え方を採用しているので、症状や病気を「悪いもの」とは扱いません。

「カラダが何とか良い状態に戻ろうと頑張っている」、それが症状や病気と呼ばれるものだと考えるのです。

つまり「身体が元気だからこそ、”パニック発作”を起こすことができる」のです。

ですからILCではパニック障害も病気だとは考えません。

ただただ、「横隔膜の動きがよくないのを、なんとか身体が自力で戻ろうとしている反応である」というふうにシンプルにとらえています。

しかし、症状に悩まされるのはつらいものです。

次項では、実際にどのようにパニック障害に対応していくかを詳しく見ていきましょう。

どうしたらパニック症状から解放されるか その1

この結論もいたってシンプルで、横隔膜の動きがよくないなら、横隔膜をよく動かしてやればよいのです。

ではどうやって横隔膜を動かすのでしょうか?

1:横隔膜を動かす体操をする

まずはシンプルに、横隔膜を活性化する体操をすることで、横隔膜を動かすことができます。

こちらの体操が非常に有効です。

他にもこちらのチャンネルでは横隔膜(ハラ)を動かすメソッドを多数ご紹介しています。

2:笑う・大きな声を出す

口を開けて大きく笑うことで、横隔膜がしっかり動きます。

この場合、「ウソ笑い」でもOKです。

またカラオケなどで、大きな声を出すことも横隔膜を動かすことになります。
(俗にいう「ストレス解消」というのは、すべて「横隔膜の活性化」とも言えます)

3:感情を抑えすぎない

感情を抑え込むクセのある方は、横隔膜が固まりやすいです。

とはいえ、突然感情的になるのも抵抗があると思いますので、ここでは「泣く」ことをオススメします。

大泣きした後はスッキリするものですが、あれも「しっかり横隔膜を動かせたから」と解釈することができます。

「たまった感情」をいかに解放していくかについては長くなりますので、またおいおいブログに書いていきます。

とりあえずは

「自分の主張を抑えすぎない」
「感情をしっかり感じてあげる」
「泣く」

ことをしてみてください。

どうしたらパニック症状から解放されるか その2 予期不安も含めて

経験上、横隔膜が動いて呼吸が安定してくると、どんどん症状は改善に向かいます。

しかし、どうしても特定の場所で症状が出やすい場合もあるので、その場合の原因や対処法なども書いておきます。

電車や高速道路などで、パニック発作が反射的に起こる原因

一度パニック発作を経験すると、同じシチュエーションでどうしても症状が出やすくなったり、また「症状が出てしまうかも?」という予期不安に襲われたりします。

これは、危険察知のために「強い感情」とシチュエーションを結び付けて記憶するためです。

シチュエーションと強い感情が結び付くと、あとは反射的に「その状況」になると、身体の反応が出てきます。

ここで大切なことは「心理的な問題ではなく、身体が無意識に反応しているだけだ」ということを知ることです。

ですから「身体の無意識の反射」さえ解除すれば、症状は楽になるということを覚えておいてください。

では、どうやって「カラダの反射」(無意識の反応)を解除していくか

「異常な(本来は危険でないのに危険に感じてしまう)カラダの反射」を解除するには、「タッピング」などの身体にはたらきかけるセラピーが有効です。

ぜひ一緒にやってみてください

タッピング以外でも、「強い感情」と「身体の反射」を解除の仕組みがわかっている療法であれば、同様の効果が出ます。

手段にこだわらず「あるシチュエーションに対するカラダの反射を解除する」と考えると、解決法がシンプルになります。

だいじょうぶ! あなたは、もっと元気になれる!!

以上、西洋医学的な考え方と対処法や、ILC的な考え方と対処法をお伝えしました。

ここで少し、まとめておきましょう。

まとめ

・西洋医学ではパニック障害の原因は不明とされている
・西洋医学の治療法は「薬物療法」か「認知行動療法」

・ILCではパニック障害を病気ととらえない
・あくまで「からだが自動的に良い状態に戻ろうとしている」と考える
・つまり「自然治癒力のはたらきによってパニック発作が起きる」と考える

・改善のポイントは「横隔膜」
・横隔膜さえしっかり動けば、過呼吸や息切れ、吐き気、動悸などの症状はどんどん減ってくる

いろいろな考え方や対処法があり、お医者さんや心理カウンセラーさんによっても対応が違うと思います。

しかし、どんな方法であれ適切に対処すれば、パニック障害から脱出することができます!

どうか希望をもって、治療に当たられてください。

このブログを読んでくださったあなたが、1日も早く回復されますことをお祈りしております。